さるすべりに陽が 射してはためらい あいまいに揺れ
秋が はじまった
三時の色はうすくれないを帯びて 六時には蒼く
広場の光は斜めに暮れる
子どもたちのおしゃべりはとりどりの金平糖のように弾け
小さな箱々にしまわれてゆく
闇がやわらかに包み
窓から壁から人の温もった空気がもれて
どこか夕餉のにおい 水の流れる音
ここもそこも遠いむこうも 誰かが暮らしている
あなたがいることが うれしくなる
Naoko Sugimoto