愛読書その2 / 夏休みの思い出

酷暑の折、皆さまいかがお過ごしでしょうか🌞。

読書の秋でもなんでもない猛暑の中ですが、
夏になると、科学の本と夏休みのことが懐かしく思い出されます。

小学校4年のときに出会った
「月面観測教室」🌙

人生においてこの本よりも読みこんだ本はないと思います。
ボロボロ…。
毎日毎日何時間も飽きもせずこの「教室」で学んでいました。

月にはクレーターという凹凸があります。
日本人がうさぎの餅つきに見立てたこのクレーターたち、
実は一つ一つ名前がついているのです。
ひときわ明るいのがケプラーやコペルニクス。
いずれも有名な科学者の名前がついています。
月に水はありませんが、
「海」「谷」と呼ばれている地形もあります。

月の裏側はどうなっているのだろう…。
月はいつも同じ面を地球に向けていますから、
肉眼で見ることはできません。
この本にはその裏側も載っています。
「海」と呼ばれる平原のほとんどない荒涼とした世界…。
私たちに見えていないところにこんな世界があるなんて、と、
畏怖の念でいっぱいになったことを覚えています。

その年の誕生日プレゼントは、
どうしてもクレーターを自分の目で見たくてリクエストした
天体望遠鏡。
肉眼ではぼんやりとしか見えなかったクレーターが、
本の写真と同じように鮮明に見える!
月食のときなどは、期待と興奮で夕食も喉を通らないほどでした。

夏休みに家族で行ったキャンプでは、
その天体望遠鏡を使って、
父が惑星に照準を合わせて見せてくれました。
私たち子どものお目当てはもちろん土星のリング!
土星のリングを映像ではなく自分の眼で見られた経験は
今も忘れられません。

 肉眼では惑星の移動を実感することはほぼありませんが、
土星は惑星の中でも遠いので、
 家庭用の天体望遠鏡ではすぐに視界から消えてしまいます。
そのスピードに合わせて少しずつ動かしながら観察するのです。
このとき「地球も惑星も動いている」ことを実感しました。
たとえ私からそう見えなくても、
動いているものは本当に動いているんだ、
私たちに見えているものはほんの一部なのだ、と、
気づかせてくれた経験でした。

 本と自然は、
子どもだった私にたくさんのことを教えてくれました。

 多くの学校で夏休みが始まったようですね。
 今年の夏が、
皆さまにとって、暑くても楽しいものとなりますように🙏

Junko Yokose

ページ上部へ