6月のある天気の良い昼下り。
どこかで聴き慣れぬ鳥の声が。
マンションの扉を開け、駐車場に出ると…なんと、そこに…
私の目の前をおしりふりふりよたよたと歩くお母さんかも。
お母さんに必死について行こうとする8羽の子がも。
お母さんかもは私をチラリと見て、子がもに、ほら早くついて来なさい、と言わんばかりにクワッククワックと話しかけています。
まるでマックロスキーの絵本の世界のよう。
でも、ここはボストンではなく、有馬の、しかも袋小路の駐車場。
ふるさと公園に池は無いし。
小学校へ行くには高い塀がある。
川に通じる側溝にはコンクリートの蓋がしてあるし。
有馬川までまだまだ2ブロック。
さて、どうしたもんやら…
でも、お母さんがもはきっとわかっているはず。新しい巣の場所を。
私はそれを信じてその場を離れました。
夕方、ふるさと公園と有馬川のちょうど真ん中あたりの蓋の無い側溝で、子どもたちが、カモの親子がいる!と教えてくれました。
有馬川までもう少し。
かもさん親子の無事を祈るばかりです。
中村まゆみ